WISE News
社会保険労務士法人WISE
2025年12月号

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 師走の候、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 

 今回は関連会社のNIKSの新規事業立ち上げと、通勤手当の非課税限度額の変更についてと、健康保険のマイナ保険証についてです。

 

 今月もよろしくお願いします!

NIKS株式会社の新規事業立ち上げについて
 
 NIKS株式会社は、2025年10月28日にSBIベネフィット・システムズ株式会社(以下SBIBF)と確定拠出年金におけるパートナー契約を締結いたしました。
 
 上記契約を受け、NIKS株式会社は確定拠出年金導入サポート事業を立ち上げることとなりました。
 
 確定拠出年金(以下DC)サポート事業は、役員・従業員の老後資金の形成に対する一助として、企業型確定拠出年金を導入する際の説明・書類整備・申請・投資教育等をNIKS株式会社が主としてサポートする事業です。
 
 
 DCは、会社または従業員が毎月一定の金額を拠出し、その拠出金を用いて投資信託へ投資・運用し、60歳以降70歳以下(規定による)の年齢で受け取る制度です。
 国が法律で定めている(確定拠出年金法)、公的な制度なので安心です。
 
 
 また、DCは、単なる老後資金の積立ではなく、
  ①掛金が全額損金算入
  ②投資運用益が非課税
  ③受取時に所得控除可能
 など、他にはない様々なメリットがある制度です。
 
 
 さらに、退職金制度として運用ができるため、「退職金制度有り(確定拠出年金)」のように求人に書くこともできます。
 ここで若手求職者の、DCがある企業を重視する割合は年々増加傾向にあるということも付記しておきます。
 
 退職金といえば、中退共や小規模企業共済よりも税制優遇措置が多く、また平均利率も大きいです。(中退共・小規模企業共済→1%、DC→平均3%
 
 自社積立退職金制度にありがちな、退職債務問題も発生しません。
 
 
 役員でも従業員でも加入することができ(厚生年金保険加入者に限る)、1人からでも制度を利用することができます。
 まずは代表者からやってみる企業様も多いようです。(役員のみ企業もOK)
 
 
 SBIBFを選んだ理由の一つとしては「他と比べて信託報酬等の手数料・導入費用が安いことです。
 銀行系のDCは、銀行のメインの業務ではないため、30名以下の小規模事業所は対象外のことが多く、手数料が割高です。
 SBIBFのDCであれば、投資運用が本業であるため、手数料が安く抑えられるのです。
 
 
 会社の福利厚生の一つとして、役員・従業員の老後資金形成を助け、「この会社で働いて良かった!」と思われるような、そんな素敵な制度であるDCをぜひ導入しませんか?
 
 DC導入サポート事業は、DC事業統括マネージャーとして中尾健太郎が担当いたします。
 制度についてのご不明点や、導入についてのご質問も中尾健太郎までお願いいたします。相談は無料です。

【2025年4月支給に遡り適用!】通勤手当の非課税限度額の変更について

 令和7年11月19日に所得税法施行令の一部を改正する政令が公布され、通勤のため自動車などの交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。

 この改正は、令和7年11月20日に施行され、令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものを除きます。)について適用されます。
 例えば月末締め翌月10日払いの事業所であれば、3月勤怠4月10日支払い分から遡って新非課税限度額が適用されることになります。(Q&Aに詳しく記載があります。)
 
 このため、改正前に、改正前の非課税限度額を超えた通勤手当を支払っていた場合には、令和7年分の年末調整で対応が必要となることがあります。
 
 なお、下記画像の通り、公共交通機関や、10km未満の非課税限度額については変更ありませんので、ご注意ください。
 
 詳しい内容については、以下をご参照ください。
 また、本改正および年末調整についてのご不明点については税理士へお尋ねくださいますよう、よろしくお願いします。
 eNENをご利用中の顧問先様については、eNENの情報をネットde賃金に取り込む際に特別な操作が生じる可能性がありますが、エムケイシステムによりますと、該当の機能は12月上旬を目処に公開するとのことですので、ネットde賃金に取り込む手前まで行っていただいて結構です。
 
 また、ネットde賃金をご利用の顧問先様については、通勤手当の非課税限度額は自動的に変更されませんので、ご注意ください。
 ネットde賃金にログイン後、「給与マスタ管理」→「従業員マスタを設定する」→「通勤費設定」にて、画面下にある「設定」をクリックして「登録」することで最新の非課税限度額が適用されます。
 給与計算の際は、お手数ですが、必ず非課税限度額を更新してください。
 一度更新すればその次以降の給与には反映されておりますのでご安心ください。
 
 
 遡り適用であるため「通勤手当を非課税限度額で支払う」としている事業所については差額支給をする必要があるのか?(7,100円→7,300円の差額200円)と疑問が出てきますが、久留米労基署及び福岡中央労基署に確認したところ、どちらも以下のような回答でした。
 
「通勤手当は労基法の定めがなく、会社独自の規程になるため、差額支給を義務付けることは無い。支払い当時に国税庁の限度額通りに支払っているのであれば問題無い。従業員から差額支給を求められても応じる義務は無い。もちろん差額支給をしても良い。労使間でお互いが納得いく形で話し合うことが必要。」
 
 もし従業員から疑問が出た場合は、互いに納得いくように協議する必要があります。
 差額支給する際は、通勤手当の差額支給であることをメッセージ欄等に必ず明記するようにしてください。
 
【マイナ保険証へ完全移行】従来の健康保険証が使えなくなる前に、労務担当者が知っておくこと。
 
 2025年12月2日以降、従来の健康保険証は使えなくなります。これは、マイナンバーカードを健康保険証として利用する仕組みへの移行に伴い、従来の健康保険証の有効期限が最長で2025年12月1日までと定められているためです。今回の記事では、従来の健康保険証が使えなくなる前に、労務担当者が押さえておきたいポイントを最新情報とともに整理しています。

 

 なお、記事の内容は協会けんぽに加入している場合を基本としています。健康保険組合に加入している企業は、加入先に詳細を確認してください。

 

 

マイナ保険証とは

 マイナ保険証とは、健康保険証として登録したマイナンバーカードのことです。医療機関や薬局(以下、医療機関等)で、専用端末にカードをかざして受付を行います。

 マイナ保険証を利用するには、次の3つの手順を行います。

  ①マイナンバーカードを申請する

  ②マイナンバーカードを健康保険証として登録する

  ③医療機関等でマイナンバーカードを用いて受付する

 

 マイナ保険証の準備から利用までの手順に関する詳細は、以下の厚生労働省のサイトをご覧ください。

参考|厚生労働省『マイナンバーカードの健康保険証利用方法』

 

【マイナ保険証を利用するメリット】

 マイナ保険証の利用は、医療機関等における事務作業の負担軽減に加えて、次のようなメリットがあります。

 資格確認書とは、医療機関等の窓口に提示することで保険診療を受けられる証明書です。

 有効期限は、保険者により設定されますが、最大5年間です。

 2025年12月2日以降、医療機関等を受診するときにマイナ保険証を保有していない場合は、この資格確認書が必要となります。

 マイナ保険証を保有していない場合とは、以下のようなケースです。

 マイナ保険証を保有していない場合は、当分のあいだ、申請によらず資格確認書が交付されます。

 マイナ保険証を保有していても、障害などによりマイナンバーカードでの受診が難しい場合は、申請により資格確認書を交付してもらうことができます。

 このほかの資格確認書の交付対象者については、以下の厚生労働省のサイトをご確認ください。

参考|厚生労働省『資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)』 

 

 また、資格確認書の取扱いについては、後述の「労務担当者が注意すべきポイント」をあわせて確認してください。

 

 

資格情報のお知らせとは

 資格情報のお知らせとは、健康保険の記号、番号、負担割合などといった個人の資格情報を確認できるものです。マイナ保険証を保有する場合に、申請なく交付されます。

 

 「資格情報のお知らせ」のみでは、医療機関等の受診はできませんが、マイナ保険証と一緒に提示することで受診できます。たとえば、マイナ保険証の読み取りができない医療機関等を受診するときなどの利用が考えられます。

 

 資格情報のお知らせを紛失、毀損した場合や氏名変更などで再交付を希望する場合は、健康保険の被保険者である役員または従業員(以下、従業員)本人が、協会けんぽに「健康保険資格情報のお知らせ交付申請書」を提出します。再交付された資格情報のお知らせは、協会けんぽから従業員本人へ郵送されます。

参考|協会けんぽ『健康保険資格情報のお知らせ交付申請書』

参考|協会けんぽ『資格情報のお知らせをなくしたとき』

 

 

労務担当者が注意すべきポイント

 従業員は、一度マイナンバーカードを健康保険証として登録すれば、転職しても再登録は不要です。しかし、被保険者資格の取得・喪失などの手続きが完了するまでは新しい資格情報は反映されないため、マイナ保険証は利用できません。このような場合、医療機関等で一時的に従業員の自費負担が発生する可能性があります。そのため、労務担当者は、速やかに手続きを行うことが重要です。

 以下は、場面ごとに労務担当者が注意すべき主なポイントです。

 

1 すでに社会保険に加入しているとき

 従来の健康保険証が使えなくなることに伴い、資格確認書が、協会けんぽから順次送付されています。

 送付対象となるのは、従来の健康保険証を保有しており、マイナ保険証を保有していない従業員、およびその被扶養者である家族です。

 なお、送付対象者がいる企業には、7月下旬に対象者一覧が送付されています。

 詳しい送付予定スケジュールは以下のサイトを確認してください。

参考|協会けんぽ『マイナ保険証をお持ちでない方へ資格確認書をお送りいたします』

 

2 新たに社会保険に加入するとき

 新たに被保険者の資格を取得する、もしくは新たに家族を扶養するときは、従業員本人に資格確認書が必要か確認します。

 

 資格確認書が必要な場合は、被保険者資格取得届、被扶養者(異動)届の新様式に追加された「資格確認書発行要否欄」にチェックを行い手続きをします。

 新様式の見本は以下のサイトを確認してください。

参考|日本年金機構『令和6年12月2日以降は健康保険証が発行されなくなります』

 

 資格確認書発行要否欄にチェックをしなかった人のうち、マイナ保険証を保有していない場合は、資格取得から1~2か月程度で資格確認書が交付されます。

 

3 社会保険の被保険者でなくなるとき

 これまで、従業員が退職などにより被保険者でなくなるときは、従業員本人や被扶養者の健康保険証を回収する必要がありました。しかし2025年12月2日以降は、健康保険証の回収が不要となります。

 資格確認書や資格情報のお知らせの取扱いは、2025年12月2日以前と以後で特に変更はありませんが、健康保険証の取扱いとあわせて整理しておくと、従業員からの問い合わせにスムーズに対応できます。

 

 

その他の確認しておくポイント

1 電子証明書の有効期限

 マイナンバーカードのICチップには、電子証明書が記録されています。電子証明書は、「ログインした者が本人であること」を電子的に証明する仕組みです。従来の印鑑証明書に相当する役割を果たしています。

 

 電子証明書の有効期限は、暗号の安全性低下に備えるため、年齢に関係なく発行日から5回目の誕生日までとされています。マイナンバーカード本体の有効期限とは異なる点に注意が必要です。

 マイナ保険証は、電子証明書を利用して本人確認を行います。そのため、電子証明書の更新を忘れないようにすることが大切です。

(出典)厚生労働省『資格確認方法について』

 

 マイナ保険証は、電子証明書の有効期限が切れてもすぐに利用できなくなるわけではありません。

 

 有効期限満了日が属する月の末日から3か月を経過すると、マイナ保険証は使えなくなります。

 協会けんぽでは、電子証明書の有効期限満了日が属する月の末日から2か月を経過したときに、資格確認書が事業主経由で送付されます。

 なお、マイナンバーカード本体の更新手続きについては、以下のリーフレットをご覧ください。

参考|総務省・地方公共団体情報システム機構『マイナンバーカードの更新手続』

 

2 スマートフォンでのマイナ保険証利用

 任意で、マイナ保険証をスマートフォンに追加することも可能です。

マイナ保険証をスマートフォンに追加すると、医療機関等でマイナンバーカード本体を取り出す必要がなくなります(マイナ保険証をスマートフォンに追加後も、引き続きマイナンバーカード本体を健康保険証として利用できます)。

 

2025年9月19日より、対応機器の準備が整った医療機関等にて順次、利用が開始されています。対応医療機関等では、下記のステッカーが受付に掲示されているためご確認ください。

(出典)厚生労働省『スマートフォンのマイナ保険証利用について』

 

 なお、対応医療機関等はインターネットで検索することもできます。

参考|厚生労働省『スマートフォンのマイナ保険証対応医療機関・薬局検索ページ』

 

【マイナ保険証をスマートフォンで使うときの留意点】

 ・マイナンバーカードは、1人につき1台のスマートフォンに追加できる

 ・原則的に、15歳未満はスマートフォンのマイナンバーカード利用ができない

 ・マイナンバーカードの暗証番号がロックされていても、医療機関等で顔認証付きカードリーダーなどによる本人確認で、健康保険証として利用できる

 ・スマートフォンを手放す・機種変更するときは、安全のため事前にマイナンバーカードを削除する

 

 スマートフォンでマイナ保険証を利用するためには、スマートフォンにマイナンバーカードを追加するなどの事前準備が必要です。スマートフォンによるマイナ保険証利用のための事前準備および利用方法は、以下のサイトを確認してください。

参考|厚生労働省『スマートフォンのマイナ保険証利用について』

 

 また、お手持ちのスマートフォンがマイナ保険証として対応できる機種であるかの確認は、以下のサイトからも確認できます。

参考|デジタル庁マイナポータル『よくある質問』No :2587

 

3 問い合わせ先

 マイナ保険証等についての問い合わせ先は、基本的に協会けんぽです。マイナンバーカードや制度全般に関する問い合わせ先とは異なります。事前に確認しておくことで、トラブルが発生したときにもスムーズな対応につながることが期待できます。

 

おわりに

 労務担当者は、社会保険の被保険者資格の取得・喪失手続きなどをスムーズに進めるためにも、情報を整理して準備しておくことが重要です。なお、厚生労働省は2026年3月末まで有効期限切れの健康保険証などを持参した場合でも、資格確認ができれば、通常通りの自己負担分のみで受診可能として暫定的に取り扱うこととしています。ただし、2026年4月以降はこの暫定措置が終了するため、従業員の混乱を防ぐためにも、あらかじめ従業員に必要な情報を周知しておくことをおすすめします。

 

 今後も制度や手続きに関する新しい情報が出る可能性があるため、最新の情報に注意する必要があります。

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